Quintus Miller Atelier Trip in Munich
結局ブログを開設してから3週間以上放置 (公開していなくてよかった)
かなり前の話だけど、スイスのメンドリジオに留学している先輩がスタジオのエクスカージョンでミュンヘンに来て、それに同行させてもらったときに訪れた建築のことでも.
Bildhauer Atelier / Hermann Rosa
Hermann Rosaという彫刻家によって建てられた自分のアトリエ。ミュンヘンの中心街から少し東へ行った住宅街の中にある。
空間構成はシンプル。矩形の平面に短手がRCの壁面、長手が全面嵌殺しのガラス窓で二層分吹き抜けた一室空間。中はとても明るく、この頃はまだ秋だったこともあって非常に気持ちよい場所だったのだけど、ここは建築のモノ自体から受ける情報量がすごい。
聞き取った解説が間違っていなければこの建物はセルフビルドらしく、 コンクリートもじゃんかだらけだったりするけれど
雨樋や配管を執拗なまでに壁面に埋め込んだり、地下の倉庫での外部と内部の床面のレベル差と扉の開閉を処理するディテールだったり、建築全体が彫刻的に扱われてる印象。コンクリートの荒々しさも含めて建てた人の手の跡を感じるというか、無機質な感じは全くしない。
(手摺は埋め込まれていないが、見た目が新しいのと天井面にも同じ素材のものが貼り付けられていることから考えて、これは後で彫刻家本人が年老いてから取り付けられたのではないかと思われる)
さらにこの建築では面と面を単調にぶつけないような処理が至るところで行われている、気がした。
例えば二階のスラブは長手の壁面沿いはどちらも吹き抜けていて二階と一階の空間が繋げられていたり、短手の壁面とぶつかる場所も縦長のスリッド窓が貫通していたり
あとドアも軸が端にあるのではなく少しずらした位置にあったり、階段も途中で折れ曲がる位置で切れていたり。シンプルだけどモノとモノが流動的に組み合わされている、そんな印象を受けた。
今のところこちらに来てから一番良かったと思う建築。
他にもいろいろまわったけどそれはまた気が向いたら書こう。